同前(どうぜん)雅弘社長の研修制度改革

大和証券では、1991年9月20日に実施した秋季部店長会議で、当時の同前雅弘(どうぜん・まさひろ)社長が経営方針として「顧客ニーズを全ての原点とした経営の実践」を打ち出した。これを受けて大和証券では、以下の改革に着手していた。

  1. 顧客を核とした営業体制構築
  2. 自主性・主体性のある部・店経営の基盤作り
  3. 人事・研修制度の見直し

国際、株式、債券の全方位プレーヤー

同前氏は、土井定包氏の後任として、1989年10月に社長に就任していた。同前新社長は国際畑が長いものの、株式、債券も含めオールラウンドプレーヤー。当時の金融・証券戦国時代にぴったりの人材といわれていた。

改正証券取引法をふまえた法令順守

1991年11月下旬に実施したマネジメント研修は、同前社長の経営改革の柱の一つと位置づけられた。 研修では、部長や店長が顧客満足度の高い経営とは何かを正確に理解し、さらに営業マンや部員に正しく伝えて全社的に浸透させることを目指した。 また、証券不祥事の反省や改正証券取引法の施行などを踏まえて、法令諸規則の順守の徹底を図った。

商品開発部門も参加

また、研修期間中は、顧客満足度の高い部・店経営のあり方や、部や支店が中心となった自主経営の方法などを議論した。商品の開発や提供を行っている商品本部も加わって、実質的な顧客満足度の向上の方法についてもアイディアを出し合った。

入社3~4年の若手社員向けも

大和証券では、これらのマネジメント研修が一通り終わった1991年12月、今度は入社3-4年の若手社員を対象に研修を行った。ここでも顧客満足度の正しい理解や実践のためのノウハウを周知したうえで、法令諸規則の教育などを行った。これにより、有宗良治氏らが提案していた全社的な研修プログラムが、ようやく実現する形となった。